営業で結果を出す人は何が違うのか知りたくて本を手当たり次第に読んだ
営業の仕事って向いている人には天性の才能みたいなものがあるんじゃないかと思う。売れる人がお客さんと話すとどんどん商談が進んであっという間に売れていく。
僕の会社にもそんなスーパー営業マンがいた。一体何が違うんだろう?そんな疑問をその人にぶつけてみると答えは意外と単純だった。
「いかにして売るか?」を常に考えること。
そもそも営業は売ることが仕事で、相手の気持ちにいかに先回りしてどうやって導いていくか?いわゆる質問力が尋常じゃなく高いことが分かってきた。
とはいえ、その人に生まれ変われる訳でもない。でも、出来れば少しだけでも近づきたい。必死の思いで営業のコツやノウハウが載っている本を沢山手に取った。
どんな営業でも、結局は相手を知ること、どんなことに困っているのか、自分が売ることでどんな利点があるのか?それを示してあげる必要があった。
今回、紹介している本から大きく学べたのは以下のことだった。
- 相手が何に困っているのか知る
- 自分が提供できる情報の中で一番相手が得をするものは何か考える
- 売ること、価値を提供することが営業の仕事
- 入念な準備が必要
- 着目する点で話をいかに広げられるか
それからそのための下準備とあらゆることを売るためのビジネスチャンスとして広げていくことが大切だ。そのノウハウとヒントをもらえる本を紹介していきたい。
伝わる・揺さぶる!文章を書く 山田ズーニー
営業向けの本じゃなくない?と思うかもしれないけど、「相手に自分の言いたい事を伝えやすくする」ためのノウハウやポイントが惜しげもなく詰め込まれている良書。
例えば、話をするときに具体的に何をポイントに考えておけば良いのか?については以下の7点があげられている。
- 意見 一番言いたい事は何か?
- 望む結果 誰がどうなることを目指すのか
- 論点 問題意識はどこにある?
- 読み手 誰に向けた内容か
- 自分の立場 相手から見て自分ってどんな立場?
- 論拠 相手が納得する根拠は何か?
- 根本思想 価値観・尊敬・感謝・依存・エゴなど背景に根ざすものは何か?
これ実はあらゆる仕事に通じることでコミュニケーションの原点そのものを的確に言い当ててくれている。
この基本をもとにどんな商談にするのか、突っ込まれる要素はどこにあるか、相手の興味を引くための望む結果は何か?など、一つ一つ考えていけば自然と柔軟性のある会話ができるようになってくる。
同様の作者であなたの話はなぜ「通じない」のかという本もおすすめなのですが、根本的な考え方はこちらの本の方が断然学べる。
トップセールスの段取り仕事術 小森康充
いくら話が上手くてもそれだけでは売れない。時間をかけた念入りな下準備が絶対に必要になってくる。僕は結構見切り発車してしまって途中でコケるパターンが多いので、この本から学ぶことはかなり多かった。
単純で退屈な理論ではなくいかに目標設定をして具体的にどんなことをしていくか?というノウハウや具体的な営業の準備・やり方がメインの内容になっている。
本書内では目標を立てるときに具測達一(ぐそくたついつ)という考え方を紹介している。ポイントは以下の4点にまとめられる。
- 目標は具体的でなければならない
- 目標は測定可能でなければならない
- 目標は達成可能でなければならない
- 目標は一貫性がなければならない
まず、目標には「数字」「固有名詞」を必ず入れること。「頑張る」などの抽象的な文言を一切なくす。
それから、目標に入れたいつまでに何をどれくらい達成するのかという「数字」を細かく分解する。例えば、1ヶ月であれば30日ごとに分け日当たりどのくらいの売り上げが必要なのかを随時確認できるようにしておく。
3については、あまりにも高い目標では今の自分を見失ってしまうし、逆に低い目標だとモチベーションの維持ができない。ちょっと挑戦的でなおかつ達成できる可能性のあるギリギリのラインを常に目標設定の基本にしておく。
4の一貫性とは、会社から、上司から、得意先から何を期待されているのか?そのポイントをきちんと把握して当てはまる目標設定にすることだ。
あとはこの目標に沿って具体的にどんな行動を起こしていくのか?実践的かつ具体的なノウハウが本書にすべて詰まっている。他の本では「できる人」「できない人」とかいう精神論的な内容が多かったりして、具体的な方法論まで踏み込んでない営業の本が多い。具体的なやり方を学びたい人にはかなり濃い内容の本になっている。もっと人気になってもいい営業ノウハウ本だ。
私はどうして販売外交に成功したか フランク・ペドガー
営業のバイブル的位置づけならこの本。実際に営業の研修に使われることも多いという。海外の著書なので人物像がはっきりしていて読み易いし、具体的な商談の内容とかも知る事ができるようになっている。
目次を見てみると「自分の仕事に情熱を持て」ではいかにモチベーションをキープしていくかが書かれているし、「新しい顧客を得るには」では実際の販売例をもとに“おお、こうやって話を広げていってるんだ!”と目からウロコが落ちたりと、営業の仕事の具体的なノウハウから精神論的なものまで幅広く活用出来る。
本当にこの1冊で営業の基本すべてが詰まっていると言ってもいい本になっていて、今でも営業で困った時に開けるよう手元に置いている。
人を動かす質問力 谷原誠
冒頭でも話したけど、僕が感じたのは営業ができる人って「質問力」がかなり高い。質問によって相手が何に興味を持っているのかわかるし、質問によって相手を自分が持って行きたい方向に持っていける。質問する力は営業だけでなく、あらゆる交渉において必要なツールだ。
この本はかなり真面目に「質問とは何か」という段階から説明をしてくれている。実はこの「質問」って意外と盲点で、この必要性がわかっているだけでも営業に行ったとき何を聞けばいいのかに迷わずに済む。
質問することで相手が何に困っているのかを知ることができるし、たとえ相手が自分の話に興味がなくても質問することで相手との会話を方向づけることができる。
成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝
マクドナルドの生みの親であるレイクロックの自伝。僕は数ある自伝の中でも彼の目のつけどころがかなり参考になる良書。本書ではいかにして売るか?という現地現物のモノの見方から、何に着目してどうやって売るためのアイデアを探し出しているのかが知れる。
ただモノ売ってくるのではなく、訪れた先にある小さな気づきから新しい問題点を見つけ出し、思いついた発想を提案してさらに売り上げを伸ばしていく。この一連の連鎖が物語の中でかなり具体的に書かれている。
紙コップからアイデアまで何でも売ってそれを次の大きなビジネスにつなげていく。僕は営業って決められたモノを売るだけの仕事だと思ってたけど、この本でその考え方をいい意味で裏切られました。売るものが好きかどうかなんて全く関係ないし、広げ方次第なんだなぁって気付かされた。
営業力: なぜトップ営業マンはオーラがあるのか
この本はホントにおすすめしたい1冊。個人的には、人との接し方における考え方そのものを変えてくれるほどの面白い本だと思っている。セールスという仕事の本質は「売ること」ではなく相手に寄り添い、相手の本質的な望み、課題を「引き出す」ことだと書いてある。
個人的にはこの一言に本当に衝撃を受けた。売れる人とそうでない人の大きな違いは、相手が本当に何を求めているのか?を引き出せる人間力があってこそだと気づけた。
これまでの正攻法とは全く違う独自の切り口、面白く、役に立つ。目から鱗が落ちる本当にためになる本です。
営業としてさらに1歩大きく踏み出したい人におすすめな1冊です。
またあなたから買いたい! カリスマ新幹線アテンダントの一瞬で心をつかむ技術
山形新幹線のカリスマ売り子が他の売り子の3倍売り上げるために何をしているのか?の秘密に迫った本。段取りが全て、とあらゆる仕事に言われるけど、まさにあらゆることを想定した極意がここに載っている。
下手なマーケティング本や営業本よりもよっぽど実用的で、あらゆる販売系の仕事に役立つ技術が散りばめられている。改めて、売るためのヒントは現場にあることを教えてくれる良書。
孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきた すごいPDCA―――終わらない仕事がすっきり片づく超スピード仕事術
営業の仕事がただこなしているだけだと感じているにおすすめ
孫正義さんの凄さを物語った内容になっているけど、この本の本当の真髄はPDCAサイクルの落とし込みにある。確かに内容はかなりシンプルで、正直他の本でも散々言われてきたことかもしれない。でも実践すれば確実に結果が出る。そのノウハウがしっかりとまとめられているのは間違いない。
孫正義という天才の話だと思って読まないのはもったいない。ただし、どの本にも言えることだけど、最後の結論は「やるかどうか」しかない。行動に移すかどうか、が営業の売り上げの結果に繋がってくる。
企画書提案書大辞典
その名の通り、企画書・提案書の書き方から事例まで細かく大量に載っている本。アイデアや提案内容の中身が肝心なのは言うまでもないけど、いかに相手に分かりやすく伝えられるかも重要になってくる。口下手であっても、企画書1枚で相手の心を動かすことも可能だし困ったときにパラパラとめくるにはもってこい。方法論だけにこだわってはいけないけど、知っているのと知らないのでは大きな差がつく。
営業の魔法
魔法のような方法論が載っているのではなく、新人営業マンがトップ営業マンからノウハウを学びながら成長していくサクセスストーリー。ほかの本は方法論などが多く、読み進めていくうちに飽きてしまうことが多いが、物語形式なので飽きずに読みながら営業ノウハウを身に付けられるのが最大のポイント。
営業を始めたばかりの人や本を読むけどなかなか続かなかった人におすすめ。
凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク
がっつりとしたセールストークを学びたい人におすすめの1冊。2003年に発売され今でも売れ続けている営業本。「お客が欲しいというものを、売ってはいけない」 や「お客さんは自分自信が欲しいものを知らない」という普通ならえ?っと思うような営業の基本的な考え方から学べる本。提案型の営業でも交渉型の営業にも役立つノウハウに溢れている。営業マンなら必ず持っておきたい1冊。
本を読んだらあとは「実践」あるのみ
もうみんな分かりきっていることかもしれないけど、ただ本を読んだだけでは売れるようには絶対にならない。逆に、本を読んで日々の営業の中で使えそうなものはどんどん取り入れていけば結果は出てくるはず。営業に関する沢山の本を読んだけど、結局は実践が全てなんだとつくづく思っている。
営業の仕事って他の仕事に比べてやることはかなり多いけど、その分裁量の幅は広いし、何より自分の考え方や方法一つでその成果が大きく変わっていくところは面白い。ここで紹介した本の中で気になるものがあれば読んでみて、自分の営業に活かせそうなところをどんどん実践で試してみていってほしい。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。