フェリーはいびすかすで屋久島ひとり旅の体験談
もう数年前になるけど屋久島まで一人旅に行ってきた。目的はもちろん屋久杉を拝むことだったけど、そこで色んな経験や失敗をしてしまったので体験談として紹介していきたいと思う。ちなみに、僕はフェリーはいびすかすを使って普通の人とは違うルートで屋久島を楽しんでみたのでその辺りの情報も少し参考になればと思っている。
この記事では主にこんなことを書いていく。
- 屋久島での失敗談
- 写真で屋久島の魅力を語る
- フェリーはいびすかすでの屋久島旅ってどんな感じ?
旅の楽しみ方は人それぞれだけど、そのうちの一人がこんな旅をしたよってことをお伝えできればと思う。
屋久島旅での最大の失敗談
まずはじめに僕が経験した失敗談について語っておく。もちろん、単純な「ドジ」だしフェリーはいびすかすって言う移動の選択肢を選ばない限りは起こることはないと思う。
屋久島では2泊3日を過ごした。屋久杉は2日目に旅したんだけど、屋久杉の往復だけで12時間も歩き続けるというなかなか過酷なものだった。
屋久島に来る前までは「なんとかなるだろう」って気持ちがあった。でも実際にはかなりキツかったというのが正直な感想。
しっかりと屋久杉を拝む!という気持ちがないと生半可な気持ちだと後悔するかもしれない。
そんなこんなで屋久杉をなんとか拝んで、ヘトヘトのまま宿まで帰ってきた。
翌日(3日目)の朝8:10がフェリーはいびすかすの出発時間。
宿に戻って翌日の予定を確認し、そこで最大の失敗をしたことに気づく。
帰る前日の宿の場所を取り間違ってしまった。
正確には帰りの便が出港する宮之浦港とは逆側の安房港の近くのホテルを取っていた。
もうちょっと詳しい状況を説明するので、まずは僕が経験した屋久島全記録を紹介しておく。
1日目(晴れ)
・JR線 鹿児島中央駅 → 坂之上駅
・坂之上駅から徒歩 → フェリーはいびすかす乗り場
・フェリー 18:00発→種子島 21:40着→屋久島宮之浦港へ
2日目(快晴)
・屋久島宮之浦港 7:00着
・白谷雲水峡 探索 8:30〜17:00
・宿「森のきらめき」に泊まる 22:00就寝
3日目(快晴)
・荒川登山口までバス乗車 5:00頃
・屋久杉登山開始 6:00頃
・屋久杉拝見から下山 18:00頃
・宿「ゆかいな仲間たち」にてバス始発でフェリー出発に間に合わないことに気づく
4日目(快晴)
・宿出発0:30 → 宮之浦港まで夜道を歩く
・7:30宮之浦港着→フェリー発8:10
・鹿児島中央駅まで戻る 17:00
失敗の理由と対策
原因は単純なもので、屋久杉を見るなら寝泊まりの拠点は近い方がいいだろうと思い安房近くの宿を検索。繁忙期ということもあり、空いている宿がかなり限られていた。焦った僕はそのまま空いている宿を即予約。バス停の位置や時刻表などをよく確認していなかった。
帰りのフェリーの出発時間は8:10、屋久杉を回った後はおそらくグッタリ疲れているだろう。でもまぁ早起きすれば何とか間に合うはず、といつもの楽観的見方を全開にさせていた。
そんなことより、「屋久杉すげぇ!!!」で一人で盛り上がっていた。準備するものは?写真は?どのくらいかかるのかな?こんなことばかりに気を取られていた。
実際に旅が始まってからはもう屋久島の自然に感動しっぱなし。全く帰りについて考えていなかったというのが本音。
屋久杉から帰ってきて宿でホッと一息ついて明日の帰り便を確認しておこうと帰りのバスを検索した→時刻表
安房から宮之浦港の時刻表
ん?赤字?なんだろうか。高速船始発が宮之浦港から出る日のみ臨時運行とある。
「僕が帰る日はどうなんだろうか…」(なんだか嫌な予感)
「えーっと」(宿で周りを確認し従業員を発見)
「あ、すみません。このバスに乗りたいんですけど明日のバス始発時刻って赤字の方ですかね?」
「ちょっと待ってくださいねー。えーっと(カレンダーのようなものを確認)明日は安房からなので黒字の方ですよ」
「そうですか。じゃあバスは宮之浦港8:20に到着か………え、間に合わなくね?」
フェリーはいびすかすの出発時刻は8:10だ
バスに乗っていてはフェリーに間に合わない。これはマズイ。ヤバい。
「なんとかしなくては…」
従業員の勧めでタクシーでの移動も考えたが見積もりは約5千円、しかも真夜中でタクシーが捕まるかどうか分からないとのこと。
財布の残金を確認すると2千円ちょっと。こう言う時に限って現金を少なめにしているという失態。
ATMも全て閉まっていた時間帯で、残された時間はわずかしかない。もうだめだ。
そこで出した結論は…
歩くしかない…!
20kmならなんとかなる。やるしかない。屋久杉から帰ってきたその足で行く覚悟を決めた。
時間を確認すると18:00前後だった気がする。ご飯を食べてそこからすぐに就寝。0:00ジャストに出発した。
この失態で屋久杉と出会った往復12時間歩いたクタクタな夜に、さらに夜中を徹して5時間歩くことになってしまった。でも、実はそれを上回る幸運に恵まれた旅でもあった。今となってはこれも含めていい思い出になっているのだけれども。
失敗を帳消しにした奇跡
1週間に10日雨が降るという冗談があるほど、年中降水に見舞われる屋久島。僕が滞在していた期間は4日間だが、なんと1度も雨が降らなかった。
白谷雲水峡の時にはいきなり曇りになってきたが雨は降らず。屋久杉の3日目までも雨の気配はない。
そして歩くと決めた最後の夜。この日に雨が降らなかったことが本当に幸いだった。
奇跡とはこのことを言うのだろうか。
とはいえ、屋久杉の往復ですでに10時間近くは歩いている。足もかなり痛いし、心身ともに疲れ切っている。こんな状態で本当に歩けるのか。
痛い足を引きずって歩き続ける。
道路には全く街灯がなく、道は真っ暗。雨は降らないだろうか。レンタル雨具はあるが、傘は持っていない。とにかくこのまま無事にたどり着きたい。
途中で猿の甲高い声がした。マジで動物たちが現れて身ぐるみ剥がされると思った。。恐怖。真っ暗闇の歩道。みなさん絶対に真似しないほうがいい。
2時間ほど歩いただろうか。10km以上は歩いていたと思う。寝不足と屋久杉を往復した足腰にも相当痛みが響いている。
もう無理だ。
そんな時、目の前に静かな道路沿いに面したホテルが現れる。お願いするしかない。「もう無理です」と。正直に言うしかない。限界だ。
そう思いホテルのドアに手をかけた。
開いている。
誰もいない。寝ているようだ。
もちろんだろう。時刻は午前3時。
目の前にはロビーのソファーが見える。
道のりはあと半分くらいだ。まだ時間には余裕ある。少し休みたい。
そんな思いでホテルのソファに腰をかける。気づいたら眠りについていた。
1時間は寝ていたかもしれない。全く覚えていない。
今思えば、怪しい者として通報されていたかもしれない。でも、当時はそんな余裕はなかった。
ホテルの支配人、勝手に使ってごめんなさい。
そして再び歩き始めた。
ついに宮之浦港が見えてくる。空もほんのり光が差してくる。海辺だった。ふと海岸の方に足が伸びていた。
屋久島の日の出。言葉を失ってしまう。疲れもあったからか解放感がとにかくハンパじゃない。なぜだろう、樹齢1000年以上の屋久杉に到達した時よりも達成感があった。
神様仏様とはこういうこと言うんじゃないのか。屋久杉にパワーをもらったからこそ起きた奇跡だったのかもしれない。
屋久島の魅力とは?
自分の経験はこれまでにして、ここから屋久島の魅力に迫っていきたいと思う。
特に有名なのは縄文杉と白谷雲水峡だろう。 この2ヶ所は1日かけてそれぞれ回らなければいけないほど広大だ。とにかくここでしか見ることのできない自然を体感できることが一番の魅力。
縄文杉についてはこのサイトの方が情報量が多くオススメだ。
▶︎屋久島・縄文杉トレッキング情報まとめ。コース、持ち物、アクセスなど
調べてみるとわかるのだが、登山をするにあたってエコツアーというガイド付きで登るプランに申し込むことができる。道のりは険しく、思った以上に過酷だ。初心者であれば、ガイドの助けがあった方がいいし何より屋久島の魅力について語ってくれる知識を求めてガイドを頼む人が多い。
エコツアーは調べればたくさん出てくる。いろんな方々との交流を楽しみたいなら大人数のツアープランを、ディープに屋久杉までの道のりを楽しむなら個人のツアーガイドが断然オススメ。日本最大級のレジャー総合情報サイト「asoview!(アソビュー)」というサイトがおすすめなのでぜひ参考にしてみてほしい。
僕個人の意見としては、屋久杉を目指すだけであればあえてガイドは必要ないと思っている。自分のペースで歩ける方がいいし、屋久島にはたくさんの登山客がいる。一人取り残される心配もあまりない。
登山用品は全て完全に集める必要はない。レンタルを有効活用することをオススメする。
僕も必要最低限の着替えや非常食を準備して、登山用品は全てレンタルした。行くのであれば事前にレンタル用品の予約をしておこう。
屋久島の外せないおすすめスポット① 白谷雲水峡
宮崎駿のもののけ姫の舞台にもなった白谷雲水峡。そんなに意識してなかったけど、やっぱ入ってみるとそこはもう映画そのものの世界。
雲水峡の入口に流れる白谷川。ここから苔の世界へと入っていく。
中はまさに異世界。自然の作り上げた苔でどこまでも緑が広がる。何よりも空気が美味しい。
倒れた木さえもこんなに絵になる。
圧倒的な存在感。自分がちっぽけに思えてくる。
個人的ベスト写真!
いけるのであれば太鼓岩コースまで行っておきたい。景色は格別だ。ただし晴れの日に限るだろう。
屋久島の外せないおすすめスポット② 屋久杉
行く途中には野生の鹿が…!シャッターチャンスを逃さないように。
光が差し込む屋久杉には想像をはるかに超えた歴史を生きてきたんだろうなぁ。本当に神様だ。
フェリーはいびすかすの説明も少しだけ・・・
今回、お世話になったフェリー「はいびすかす」についても少しまとめておきたい。これは鹿児島から種子島、屋久島を毎日往復する生活物資を運ぶためのフェリーだ。もちろん、一般客も乗ることができる。今回利用した理由は安かったから。鹿児島から屋久島まで往復7200円で行けてしまう。
(料金は昔行ったときのものなので確実な金額はフェリーはいびすかす | 種子島・屋久島と鹿児島を結ぶ生活航路を参考にしてほしい。)
ただし、それなりの制限があるので問題ないという方のみ乗船するべきだ。
まず、種子島に21:40頃到着しそのまま夜を貨物船の中で過ごすことになる。ベッドはなく雑魚寝。屋久島に到着するのは翌朝8:00頃になる。ちなみにシャワーはなし。食事もカップラーメン自販機があるだけなので、夜ごはんは弁当などを買っておいた方がいいだろう。
船の中の様子はこちらのブログが雰囲気を写真で載せてくれている。
種子島への渡し船 その1 フェリーはいびすかす|エアロスバルなブログ
ちなみに、夜空の星は周りに光がなくかなり綺麗だ。一度見ておくことをお勧めする。
乗船は貨物と同じ入り口から入ります。白とピンクのシンプルなデザインがいい。
出航と共にあたりは夕日に包まれる。種子島に着くのが21:40頃、消灯は23:00頃だった気がする。船内は暇なので本とか持って行った方がいいだろう。
屋久島のおすすめ宿泊先
今回滞在したドミトリーも含め、いくつか人気の宿泊先をピックアップしてまとめておく。もし屋久島に行く機会があればぜひ検討してみてほしい。
屋久島の旅を豪華に過ごしたいならココ。プール付きの別荘と言った感じで、非日常を味わえる。フレンチコースもあり食事・滞在すべて大満足できるようになっている。ここはいつか泊まりたい宿。
ゆっくりのんびりがコンセプトの民宿。屋久島の地元の食材を使った食事が一番のウリ。価格帯も食事付きながらリーズナブルなところがGOOD。
THE実家の雰囲気が良く女将さんも素晴らしい気遣いをしてくれる。屋久島の情報も仕入れることができるので、地元の人との交流をメインでしたい人にかなりおすすめ。
RAKUSAホテルは屋久島空港から1分の好アクセス。ホテル主催のツアーもあるので、ここで屋久島の旅を一括にまとめることができる。宿泊など深く考えずに、屋久島をツアーで堪能したい人におすすめ。
まとめ
自然が大好きという人は屋久島の魅力に間違いなくとりつかれるはず。僕が旅をした時は、旅行に来たまま気がついたら屋久島に住み着いていたという方に何人も出会った。それだけ未知の神秘に包まれた島だと実感した。
屋久島には一人で来る人も多く、自分を見つめ直す旅の候補地としてもかなり人気がある。実際に、僕の周りでもひとり旅で訪れる人たちと仲良くなることができた。歩みを進めるたびにみんなの顔が生き生きとしていくのが分かった。綺麗な空気、壮大な自然は僕たちに何か大きな影響を与えてくれているのだなと実感。本当に、生かされているということをひしひしと感じる旅だった。壮大な自然の中で自分を見つめ直す大切な時間になることでしょう。
最後に、一人旅もいいけどやっぱりガイド付きの方が屋久島の歴史や知識を学べるので楽しさと興味深さが何十倍にもなる。
特にasoview – 屋久島ガイド旅はかなりおすすめの屋久島ガイドなので一度検討してみてほしい。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。