英語上達の4つのプロセスを科学的に明らかにしてみる
英語の教材がたくさんあふれているし、インターネットを使えば英語に無料でふれられる機会は本当たくさんあります。
でも、英語を学ぶためのプロセスって実は意外とあまり知られてません。
どうやって英語を僕たちが学んでいくのか?を知っている人と知らない人では英語力の伸びに大きな差が出てきます。
英語を学ぶプロセスは第二言語習得研究(Second Language Aquisition)という学問で明らかになってきています。今まさに英語を学んでいる人にとって良いヒントが詰まりまくってます。
でも、こういう専門的な本とか読むとめちゃくちゃ難しいです。
この難しい英語のプロセスの説明をもっと簡単に分かりやすくできないか?ってことで僕なりにインフォグラフを作ってみました。なるべく誰でも簡単に理解できるように工夫してみました。
第二言語習得研究の内容を知ればかなり面白いし、英語学習をもっと効率よく出来ます。
英語学習のプロセスを知るメリット
- 何をして英語を学べばいいか分かる
- 無駄な勉強をしなくてよくなる
- 科学的に英語の学びの理屈が分かる
英語力を伸ばすための認知プロセス
英語の認知プロセスをまずはザクっとまとめてみます。
という感じでまとめてみましたが、少し難しい表現が多いのが正直なところ。
いきなりこれを見て分かった!とはならないと思います。
もう少し簡単に噛み砕いてみましょう。
これが僕たちが英語を学ぶときに通るプロセスになります。
基本は一つの英文表現が④の統合プロセスまで行けばゴールです。統合が最終ゴール。統合されれば英語のまま、イメージ的に理解ができるという状態になります。
つまり、”Apple”という文字や発音を見たり聞いたりした瞬間に分かるということです。
一つ一つのプロセスで何が起こっているのか、をもう少し詳しく紐解いてみましょう。
①気づきのプロセス
まずは一番最初のプロセス「気づき」です。
勉強するにもまずは気づかないと始まりません。「お、これなんだろう??」と注意が向けられている状態ですね。
Appleという文字に気づくこと、もしくは赤い丸い物体に気づくことから始まります。そこから「りんご」というものを理解するプロセスが始まります。
このプロセスは結構甘くみられがちで盲点だったりします。
特に、英語に限らずだんだんと理解できるものが多くなってくると無意識のうちに分かっているものとして扱ってしまうことがあります。
例
普段、何気なく使っている一円玉の裏側に書いてあるものを絵に書いてみましょう。書けない人が大半だと思います。このことから知っているものでも、気づいて注意を向けないと学ぼうとするものになり得ないことが分かります。
学びの一番はじめのプロセスなので気づかないと何も学べないという一番避けたい状態になってしまうので注意が必要です。
②理解のプロセス
「理解」のプロセスでは気づいたものの形式・意味・機能を具体的に学んでいきます。
この理解のプロセスをちゃんとやっておかないと「知ってるけど何だかよく分からない」 という状態になってしまいます。
りんごの例をもとにもう少し詳しく見てみましょう。
①気づくプロセスからいよいよ「りんご」そのものについて理解していきます。
(意味)何を表すか(りんご)
(形式)姿、形、文字の品詞など(赤い、丸い、名詞 etc…)
(機能)どんな風に使われるか(食べ物、使い方 etc…)
こんな感じで「りんごとは何か?」を覚えいきます。
理解のプロセスは記憶に残すためにも非常に重要で、基本は意味・形式・機能の3つがきちんと自分の中に落とし込まれてないと記憶しにくくなります。
例えば、英単語帳をパラパラとめくってなかなか意味が覚えられない単語ってありますよね?ありがちなのが機能が分かってない状態です。
どんな場面でどんな風に使われるのかが分からないと理解ができない=記憶に留まらない、という悪循環に陥ってしまいます。
「分かったか?」と問われたら意味は何?どんな姿形か?どんな風に使われるか?を理解できているか確認してみましょう。
③内在化のプロセス
気づき、理解と進んだら次は「内在化」です。
言葉は難しそうですが、シンプルに理解したことを一時的に記憶しているよ!という状態のことを言います。
この場合はりんごが意味・形式・機能すべて理解している状態で頭の中に入っていることですね。
一時的に記憶できているのは短期記憶と言います。 個人差はありますが、一般的に頭のいい人はこの内在化までのプロセスが高速な人を言ったりもします。
単なる記憶力だけでなく理解のプロセスできちんと意味が自分なりに落とし込めているのか?が大切です。
④統合のプロセス
最後に「統合」です。これは短期記憶したものを反復することで長期記憶に取り込んでいつでも瞬時にパッと使えるようにすることです。
ここで大切なのは、短期記憶に入ったものを何度も反復するってことです。いわゆる復習というヤツですね。
覚えるだけでは統合は発生しません。何度も繰り返し反復学習することで僕たちの脳に定着すると言われています。ここまでくると学習のゴールになります。
英語に限らず、僕たちはこの統合した情報が増えれば増えるほどたくさんのモノやコトを関連づけて考えることができます。
出来ないことを一つずつ統合まで持っていくことで「出来る」に変わっていきます。
英語を学ぶときにどんなことに気をつければいいか?
紹介した英語の認知プロセスをもとに考えれば以下の点に気をつけながら学習を進めていく必要がありそうですね。
英語の学習で気をつけるべきこと
まず気づくこと
意味・形式・機能をちゃんと理解すること
定着するまで何度も反復すること
この中で一番大切なのは「気づくこと」だと個人的に思います。
自分が気づけている範囲が学べる限界だと言えます。学習に行き詰まったら別の人と話して新しいことに気づいたり、別の視点から物事を捉えていく必要があります。
これが自力で出来る学習者が学び上手だと言えますね。
結論:英語力を上げるカギはインプット量
学習のプロセスが分かったところで、やっぱりみんな気になるのは「どうすれば英語力が伸びていくか?」だと思います。
僕なりに英語学習のプロセスをもとに英語習得のためのカギを最後にまとめてみます。
先ほどの気づくというプロセスももちろん大事ですが、一番のカギは『理解できるインプット量を増やす』ことです。
理解できる情報を増やしていくことが英語の学びのレベルアップに繋がっていきます。
そこで大切にしたいのは以下の2点です。
①自分にとってちょっと難しめの教材を使う
②理解できたら何度も反復→定着
今まで知らなかった情報をたくさんインプットするのが英語の学びに繋がります。
知らないものを理解して、理解できて内在化したら何度も何度も反復して統合まで持っていくのが英語学習のセオリー。
第二言語習得研究を元にした英語スクールは着実に増えている
東京都内を中心に広がりを見せているのが第二言語習得研究の知見をもとにした指導を行なっている短期集中型の英語スクールです。
日本にいながら海外留学したときとほぼ同等の英語力アップができるのが魅力です。
第二言語習得研究や応用言語学などたくさんの科学的知見をつかって、効率よく正しく英語を学習していけるようになりました。
僕が大学生の頃はこういった英語スクールは皆無でした。
いわゆる「努力型」でネイティブとたくさん話したり一緒に行けば英語力は自然と伸びていく、と言われていました。
そんな幻想はアメリカ留学を経験して一気に吹き飛んでしまいました。
地道な努力と毎日コツコツした継続が英語力を伸ばす一番のカギです。そして、その学習をより効率よく正しく実施できるのが第二言語習得研究の威力だとおもいます。
本当におすすめできるスクールは別記事にまとめているのでよければぜひ参考にしてみてほしい。
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以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
参考書籍:英語学習のメカニズム: 第二言語習得研究にもとづく効果的な勉強法、英語上達12のポイント
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