英会話学校に通っても効果が出ない3つの理由
英会話スクールに通って、英語がペラペラになった人を僕はほとんど見たことがないです。
僕自身も大手英会話スクールに1年間通ったあとにアメリカ留学をしましたが、結果は散々でした。
自分が思ったことを話す以前に、そもそも相手の話が全く聞けないんです。
英会話スクールでは、日本人慣れした英語講師が分かりやすく丁寧に話してくれていたんだとそのとき初めて気づきました。
実際に効果そのものは少しはあったのかもしれませんが、費用や時間対効果で見ればとても回収できたとは思えません。
今では第二言語習得研究を個人的に学んだので、英語を学ぶために必要なプロセスが段々とわかってきました。
参考記事はこちら→英語を学ぶ人なら絶対知るべき英語上達4つのプロセス【第二言語習得研究】
そうやって今になって原因を突き詰めていくと、なぜ英会話スクールは意味もなく効果もほとんどなかったのか?の理由が少しずつ見えてきた気がしました。
さらに、具体的にこの本に出会って改めてモヤモヤ感がハッキリと言語化されました。
この本の中でいわゆる錯覚資産についての話が書かれています。(読み物としてもとても面白い内容の本なので気になる方はぜひご一読を…)
英会話スクールに通うだけでは効果がほぼない理由が3つ言語化できそうなのでまとめておこうと思う。
英会話スクールで英語が上達しない3つの理由
- 脳の「一貫性」で錯覚が起きている
- 言語の正しい学び方をそもそも知らない
- ゆるくて心地よい決意をしている
理由① ネイティブと話さないと英会話は上達しない、ではないから
昔、英会話学校に通っていたときの心境はこうでした。
「英会話できるようになるにはもちろんネイティブと話さなきゃいけないだろう」
こんな風に思っていました。
もちろん、なんにも間違ってないし普通に到達する結論だと思います。
ただ、僕たちが本当に考えるべきは英会話力はどうすれば鍛えられるのか?ということです。
その結論を「ネイティブと話せば英語が上達する」と思い込んでました。
「人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている」の中にある脳の3つの傾向があります。①一貫性、②原因、③結論を急ぐ、です。
この中にある①一貫性について、メリットをもとに思い込みを作り出す傾向があります。
英語ネイティブの外国人が英語ペラペラなのは当たり前の事実です。
でも英語がペラペラな人と話すから自分もペラペラになれる、という考えはあまり根拠がありません。
例えば、サッカーが出来ない人がいきなりW杯に出て本場の経験を積むことで一気にプロ並みにサッカーが上手くなる、と同じ理屈になっちゃいます。
ネイティブとの会話はいわば試合です。
試合は練習の成果を出す場所。スポーツや楽器をやっている人なら分かると思いますが、基礎基本の練習があって初めて本番(試合)で結果が出せます。
つまり、「ネイティブと話すことで英語が上手くなる」はあまりにも短絡的すぎて理にかなってないと分かります。
英会話力を鍛えるためには、そのための練習メニューをセットに考えなければいけません。
でも英会話スクールに通ってる人は「ネイティブと話すから上達する」ということが正しいと思ってしまいます。
この錯覚が解けたときに「練習せずに英会話スクールに行っても、実はほとんどの人にとってあまり意味ないよね」と誰もが気づきます。
理由② ほとんどの人は英会話すべきレベルにない
英語ははっきり言ってしまうと言語でしかないです。
だからこそ言語を学ぶときのプロセスを専門的に知っておくべきだと思います。
そこで言語学習のプロセスを研究しているのが「第二言語習得研究」です。
第二言語習得(だいにげんごしゅうとく、英語:second-language acquisition)は、学習者が母語の次に言語を学ぶ過程を科学的に解明する学問で、心理学、言語学、教育学などの学際領域である。広義には教授法も含まれる。
Wikipediaより引用
明らかになっているのは、言語習得におけるプロセスです。
人はこの順番で言語を身につけていくと言われています。
話す書くこと以前に、まず読む聞くことができなければいけません。
話すというアウトプットは、自分が単語や文法を組み合わせて読み聞きできる表現しか口から出てきません。
さらに、話すために必要な文を読んで聞いて理解する力の目安として、TOEIC730以上、TOEFL79以上、IELTS6.0以上、英検準1級以上が一つの目安だと言われてます。
これって全日本人のだいたい10%〜15%くらいだと言われています。
つまり、約80%以上の人たちは英語の理解力が足りないまま英会話をしてしまっていることになります。
正直、この基礎レベルがない状態で英会話をいくらしても相当に非効率な学習になってしまいます。
想像してみてください。英語がスラスラ理解できる人と、単語や文法が全く分からない人のフレーズを覚える時間差は圧倒的なはず。
でも、本当は英会話すべきではない人たちのニーズに合わせるため、「初心者向け」「初めての英会話」など英語力が足りないけど英会話してみたい!という層に合わせたプランを作っています。
つまり、英会話するための準備が全く整ってないのに英会話したいという希望だけ満たすような現状が続いてしまっています。
理由③ ゆるくてリーズナブルな環境に甘えている
「初心者向け」「初めての英会話」など英語力が足りないけど英会話してみたい層へのプランはどうなるかと言えばこんな感じです。
ゆるい理由・動機を許容できる体制
ニーズがある人が気軽に始められるゆるい料金体系
アットホームなゆるい雰囲気
結局、英語の理解力を高めるために必要な練習をほぼしないので、例えば5年くらい続ければ英会話力は伸びるかもしれません。でもそれってかなり効率が悪い。
本気で英会話したい人なら、練習量を圧倒的に増やしてまずは理解できる英文をたくさん増やすべきです。
それから、お金も時間も投下して英語を話さざるを得ないような環境に身をおくべきです。
英会話に対する「錯覚」は確実に起こっています。
簡単に、楽に、英会話ができるようになるなんて魔法は絶対にないです。
地道に脳みそで英語の音と意味を理解できるものを増やしていく以外に近道なんてないです。
大切なのは「錯覚」を理解して相談する相手を考えること
結局、語学って学問なのできちんとしたステップで勉強していく必要があります。
素人がいきなりW杯に出場することほど痛いことはありません。何もできず、ただボールを追っかけて、その場の雰囲気に圧倒されて終わりなだけです。
英会話を鍛える=英会話スクールに通うことが必ずしも正しいとは限りません。
練習することはもちろん、相談する相手を間違えないことはもっと大切です。
例えば、英語上達完全マップや外国語を話せるようになるしくみなど、英語に精通している英語を教えられるプロに相談すべきです。
そして、どんな風に英語力が伸ばせるのか?というステップを自分の中できちんと現実的に理解すべきだと思います。
もう1つは「錯覚」をきちんと見極めることも大切です。
例えば、以下のような場合はどうでしょうか?
- 超有名企業から独立した◯◯が開発した独自のメソッド
- 外資系No.1コンサルから独立して生み出した効果を出す英語学習プラン
- 5ヶ国語が話せる◯◯のオリジナル教材
これは著書の中にあったハロー効果を狙ったものに近いです。
英語とは全く関係のないスキルで実績を上げているからと言って、必ずしもいい教材とは限りません。
結局、「英語教育においては何も知らない人」に相談しても英語力が伸ばせる保証すらないかもしれません。そして広告ではメリットや実績という良い情報だけが発信されるに決まってます。
ここをきちんと見極めてスクールを選ぶのが重要です。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。