仕事で毎日が辛い日々を救ってくれた本
気がつくと新卒で入って2、3年が過ぎてもう会社にどっぷりと浸かってました。朝起きて、歯磨いて、憂鬱な通勤時間の後で仕事が始まって、遅くまで残業して帰ったらヘトヘト。何もやる気が起きない日々。
そんなループにはまり込んでいた僕は、気がつくと周りには「サラリーマン」に関する話題しかありませんでした。ブラック企業、就活、解雇、M&A、日経平均、会社に通っているだけなのに視野がどんどん狭くなっていました。
こんなクソみたいな生活!って何度思ったことか…
それでもめげずにここまでこれたのは素敵な「本」と出会えたからです。一時的な感情で物事を棒に振ってしまうことの多かった僕は立ち止まり、自分と向き合う時間をつくってみました。
ということで、今回は考え方、価値観、人生観を大きく広げてくれた本たちを紹介していこうと思います。
価値観と人生観を180°変えてくれた9冊
僕自身、かなり自分の生き方に迷っていたので人の自伝などを多く読み漁っていました。その中でも特に思い入れの深い9冊です。気になる作品があれば是非読んでみてください。
叶恭子の知のジュエリー12ヶ月 叶恭子
叶姉妹っていうと胸がデカいくらいしか印象が正直なくて(かなり失礼ですよね笑)、でもこの本読んで彼女に対する見方が180°変わったというか。ただ単純な見た目だけで判断していた自分がすごく恥ずかしくなりました。
誰から何を言われようとも、どんな批判を浴びようとも、自分を信じて自分が決めた道をまっすぐに突き進む。強くて、でも柔らかくて目の前のことを客観的に冷静に見つめて、より大きな視点から見れる余裕がある。そんなカッコイイ生き方・生き様に惚れてしまった本。
自分が好きなこと、確信が持てることに従って生きる。それは、他人に媚びない生き方です。世の中の全てから愛されようといった虫のよいことは考えず、異端を恐れずに進む。それがわたくしの原点です。
しかしこの本が実は中学生、高校生向けだということには驚いた。「よりみちパン!セ」って他にも結構読んだけど、いい本たくさん出してます。
プレゼント世界で1番大切な自分の見つけかた 坂之上洋子
大切なものは、実は何気ない些細なことででも何故か鮮明に覚えている。本自体は15分くらいで読めてしまう、一言一言のメッセージ集みたいな感じです。本当は女性向けの本なんだろうけど、なんだか読んだらちょっと楽になる不思議な本。
素直であること、強くあること、この本に載っている言葉はただ単純にサラリーマンとして平凡に毎日を過ごしていた僕にはまぶしいくらいの生き方です。だからこそすごく参考になったというか。
間違ったとか、恥かいたとか、失敗さえも、そんなの全然たいしたことない。そのあとどうしたか?の方が100倍くらい大事だよ
常に誰かとの関わり合いを意識しておかなきゃいけないし、相手がどんな気持ちになるのか想像することって簡単に言えるけど実はすごく難しい。
自分をけなしたりダメにしてしまうのは自分なんだって教えてくれます。1から汚い自分を見直させてくれた本。
旅の極意、人生の極意 大前研一
今の旅好きな自分はこの本を持って形作られていると言ってもいいくらいの本。大前研一さんの名前は知っていたけど、かなり趣味や旅行にも詳しい人でこの本が発売されてから数年後に、実際にこの本に載っている数々のニッチな旅行先がメジャーになってて驚きます。
僕はこの本から「一体何のために働くのか?」について深く考えさせられました。会社に行って働いて給料もらって生活して、それで何がしたいの?っていう部分を深くエグられたような気分でした。
「休みを取るのが大変だ」「少し贅沢かも」などと、つまらない尻込みだけはしないでほしい。そうやって先送りしている間に、時間はどんどん過ぎていってしまうのだ。ようやく余裕が出てくる頃には、精神的にも肉体的にも人生を楽しめなくなっている、などということは、断じて避けねばならない。
僕自身の「旅行」のスタイルも変えてくれた1冊。今まではガイドブックとにらめっこして、有名な観光地をいかに多く回れるかということばかりに気をとられてました。そうじゃなくて、もっと旅行先で出会った人とコミュニケーションを楽しんだり、全く知らない通りを歩いてみたり、もっとお金をかけて贅沢してみたり。
これ以上楽しいことはない、と思える旅行は人生観とか価値観も変えてしまう力があるんだって思えました。
私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。 高城剛
誰との出会いが一番影響が大きいだろうと考えたとき、間違いなく名前を挙げたいのが高城剛さん。すでにその生き方は誰にも真似できない新しい方向にぶっ飛びすぎてて、その感覚とセンスには本当に頭が上がりません。有料メルマガも唯一ずっと購読しているのがこの人。
正直、話しているのが2歩先くらいの未来なので(笑)こんなブッ飛んだ人は後にも先にも僕の中ではまずいません。それだけ貴重で面白い人。本書は質問に答えていく形式になっています。
Q43戻るとしたら、いつの自分になりたいですか?
A:いつも、そしてどんなときも、その時その時を大切にし、その時々の意味を考えています。特に、この半年間は、僕の人生の中で、もっともエキサイティングな日々でした。一切の情報を遮断し、徹底的に己と向かい合い、世界中を旅する。こんな機会は、この先、二度とないでしょう。
誰からの情報にも流されず、常に客観的に、徹底的に自分自身と向き合うための時間を持って突き進む。これからもずっと期待している人であり、お手本になってくれている人。
2016.5.22追記
「引用書店」さんから言及いただきました。ありがとうございます。高城剛さんの2035年の世界についても分析されています。高城さんといえば沢尻エリカの元夫で、ハイパーメディアクリエイターという職業で批判の対象になってましたよね。今は拠点を持たずに好きなときに好きな場所に行く生活と、ネットに頼らない現地の「人」から仕入れる1次情報を僕はこれからも追い続けていこうと思います。
あ、ちなみに黒本と白本もかなり面白いので興味のある方はぜひ。
志高く 孫正義正伝 井上篤夫
孫正義さんの自伝、半生を綴った本。というか、この人の文章はめちゃくちゃ読みやすくて流れるように引き込まれます。こんな文章書けるって才能なんだろうなぁと。ここまで読み易い自伝ってなかなか無いです。
孫正義という人がどんな人で、何を成し遂げてきたのか、その行動力からすればまだ自分なんてこれっぽっちも頑張って無いんじゃないか。いや、この人と比べてしまうのは酷だけど(笑)でも、僕の人生を賭けて何を成し遂げたいんだろう?っていう考えには至らせてくれた本。
まず、一年間という期間を考える。その際、一年を12ヶ月で割ってはいけない。どんな綿密な計画を立てようと、必ず計画通りに行くとは限らない。兄は一年の365日を12ではなく14で割ることを泰蔵に教えた。
そして、本来なら1ヶ月かかることを、一年間の1/14、すなわち26日間で終わらせろというのだ。
見習いたいのはその計画性と必ず完了させるという裏付けです。誰よりも早く達成し、誰よりも熱く生きて何が悪い。そういう覇気が伝わってきます。決めたら一直線に綿密に計画を立てて確実に結果を出す。まさに、男の生きざまを見せつけられる本。
自分の中に毒を持て 岡本太郎
この本は入社して半年くらい経ってたまたま購入したのを今でも覚えてて思い出深いです。最初から最後まで、唯我独尊、我が道を突き進むその生き方が逆に新鮮で気持ちいいなって思えます。
誰でもが、あえて出る釘になる決意をしなければ、時代はひらかれない。僕自身は前に言ったように、それを貫いて生きてきた。確かに辛い。が、その痛みこそが生きがいなのだ。この現代社会、システムに抑え込まれてしまった状況の中で、生きる人間の誇りをとりもどすには、打ち砕かれることを恐れず、ひたすら自分を純粋につき出すほかはないのである。
この本がきっかけで青山の岡本太郎記念館にも行ったことがあります。イメージはやっぱり異端。岡本太郎といえば太陽の塔だけど、もっと自分を前面に押し出した批判を恐れない強い生き物のような作品が多かったのを覚えてます。
もちろん、作品が認められなかったらだたの頑固親父なだけだったのかもしれない。それでも人と違うことを自分で認めて、そんなこと構わずに突き進むことがこんなにも強いんだって改めて感じました。
かもめが翔んだ日 江副浩正
▶︎かもめが翔んだ日
仕事大好き人間の僕にとってリクルートってちょっと憧れのある会社。創業者の江副さんはもう亡くなってしまっているけど、この本は何も無い状態からリクルートという会社を創業するまでの物語が載ってます。成功談がほとんどだけど、いかにしてリクルートという会社の精神が作り上げられていったのかは読み進めていて面白かったです。そして、この言葉はリクルートで働いたことの無い僕にさえも大きく影響を与えてます。
自ら機会を作り出し、その機会によって自らを変えよ。
変えてくれるのは「誰か」じゃない、おそらく自分だけだってことがただただ深く僕の気持ちをエグったのを覚えてる。
青春漂流 立花隆
もう随分と昔の本だけど、サラリーマンではない別の道を行くことに決めた人たちが「なぜそう思ったのか?」や「どうやって立ち上げたのか」という根本的な部分をインタビューにしてます。
僕自身も悩んで、一体何がやりたいのか、どんな仕事をしたいのか、そういった部分がぼんやりしていることがやるせなくて。だからこそ、誰かの生き方を見てみたいと思ったのかもしれない。11人全員へのインタビュー記事ももちろんだけど、僕が好きなのは一番最後のエピローグ。
青春とは、やがて来るべき「船出」へ向けての準備が整えられる「謎の空白時代」なのだ。そこにおいて最も大切なのは、何ものかを「求めんとする意志」である。それを欠く者は、「謎の空白時代」を無気力と怠惰のうちに過ごし、その当然の帰結として、「船出」の日も訪れてこない。彼を待っているのは、状況に流されていくだけの人生である。
本の中の人間ドキュメントから見えてきたのは、結局は何かを成し遂げようとする意志があるかないかの違いだと思います。どんな無茶なやり方でも、どんなに誰かから批判されようとも何かを成し遂げようとしている人の生き方、行きざまは絶対にカッコイイ。
シンプルに考える 森川亮
このブログ名はSTAY MINIMALだけど、言いたいこと、伝えたいことをまさにこの本が代弁してくれたような本。僕自身、めちゃくちゃうなずきながら読んでしまった。シンプルに徹底的に、本当に大切なことはたった一つ。それだけに集中すること、それだけを突き詰めることで見えてくるものがあります。僕が伝えたい想いはまさにこの本に書いてあると言って間違いないです。
悩むとは、なんとなく「あれも大事、これも大事」と迷っていること。結局、何も決められず、行動に移すことができません。あるいは、「あれもこれも」と力を分散させてしまう。しかし、結局、人間が一度にできることはひとつだけ。
大切なのは「考える」こと。人が悩むのは表面的な価値に惑わされているからです。だから、「何が本質か?」を考え尽くさなければなりません。
最後に行き着くのは「一つ」のシンプルな回答だと思います。僕自身、悩むことが好きだっていうことも分かっています。だからこそ、シンプルに何が本質なのか?を常に考える癖をつけていかなければと思っています。
生き方、生きざまを考え直すことで見えてくるもの
「現状に満足していないなら、その現状を変える必要がある。そう思わなくなったときが自分の現実だ。」って立川談志師匠は言っていました。僕のすごく尊敬する人です。今はサラリーマンでも、最終的にどうなっていたいのか?という広い視点で考えれば今やっていることをもっと客観的に見つめ直すことができます。
そのためのヒントやきっかけをもらえる本。読めば読むほど自分との対話ができます。まだ僕はサラリーマン生活真っ只中ですが、僕自身が何者なのかはそんなに重要ではないのかもしれないと思うようになりました。
「サラリーマン」であること自体が否定され、自由という言葉が1人歩きしていますが結局は「生き方、生きざま」なのかもしれません。どんな職業であっても、どんな仕事であってもその人の「生き方や価値観」って本当に様々です。
そんなもっと深い人の芯の部分を僕はもっと育てていってみようと思っています。